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夢の中 倍音の響き
2025.04.11東京国際フォーラム

もともと、真梨子さんはコンサートを続けたい。
ただツアーがきついだけである。
だから、今の真梨子さんの本心の葛藤を言葉にしていたが、おそらく今ツアー最高の出来の4/11のステージ。
ますます、何かの動きがあると思う。
1-8‐4の席は、左スピーカーの前である。ステージ上のスピーカー2台と左壁面の2台のスピーカーが作り出す音像の定位は、左頭上にある。
音のシャワーをあびた感じ。
即ち、真梨子さんのヴォーカルの細かい表現や、音程、
ピッチ、ブレス、ロングトーンのすべてを聞いてほしいといわんばかりに、細部まで聞こえてしまう。
そして、いつも普通に歌う ♪はがゆい唇 は、言葉を置きにいっていない。気持ちが入っている。
ここ数年間、全体の構成での力の入れ方、バランス、メイン曲での微細な表現が保つような発声体力の力の入れ具合。こんなことも意識させないくらい、すべてが
奥の深い倍音の表現で聴かせてくれた。
ほぼ100パーセント。
高音部が透き通っている。透明で、青空に伸びていく。
低音部の響きが今までのステージとも違う。
少し風邪の残りがあるのに、絶好調である。

本日の席は、8列目の左端。1-8-4。
左側には広い空間が広がり、ステージ迄4メートル。
真梨子さんまでは、左45度の位置で18メートルという感じである。
(C)NHK SONGSの画像だが、こんな感じでOLD TIME JAZZの時は、真梨子さんの綺麗な横顔がよく見える。
また、歌い上げた時の少し顔を持ち上げるセクシーな表情もよく見えた。
それは、倍音、つまり発声時に自然に起きる一人ハーモニーのどこに力を入れるかの妙である。
高音部が透き通るのは、前半の曲。
低音をあまり響かせない。
ニューヨークを思わせるLIVE3曲は、メゾソプラノの高音と低音のバランスが見事。万照さんの、間奏の今日のアレンジも格別。アンサンブルを聞いているライトの当たらない真梨子さんのシルエットが輝くのも素敵。そして、その横顔のアングルがとにかく綺麗であった。
そして、♪雲母の波 は、中低音部に力を込めて、思いっきり倍音の響き、弦楽器の響きのような音の揺れを保ちながら発声していく。
もともとのホール音響のエコーとも相まって、その響きは
波打ち際でありながら、海の中のような、
そして引き波が、その自然な揺らぎを持ちながら、静かに消えていくようなヴォーカルなのである。
それが 儚い夢 のフェイドアウトしていく響きに感じられた。人がそばにいるのに、なぜ「儚い」のかと。
もちろん低音部を響かせないで、中高音で歌うこともできる。そういうコンサートもあった。
しかし今日は、思いっきり響かせていた。
だから、♪無伴奏 も絶品。
1ケ月前の横浜では、もっとスローに感じた ♪フレンズ の宮原さんの入りのテンポ。今日は速いかと思ったけれど、実は真梨子さんのブレスにぴったりだった。
そしてもう一つ。壁面に真梨子さんのsilhouetteだけが照らし出されるのである。silhouetteが歌っていた。それが見えるのは、この座席でしかないだろう。
コンサートをやれる体力があるなしではない、
こんな表現ができるかどうかのこだわれるヴォーカルの出来。真梨子さんの葛藤は今しばらく続いているけれど、本人はこれからもステージに立ち続ける決意であれけばこその悩みなのであろう。
だから、5月はラストではない。
次へのスタートのコンサートである。
(20250412記載)